小塚が開幕戦で逆転V 日本勢が表彰台独占=フィギュア・スケートアメリカ
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、スケートアメリカの男子シングル・フリースケーティング(FS)が20日(日本時間21日)、ワシントン州ケントで行われ、小塚崇彦(トヨタ自動車)が合計251.44点で開幕戦を制した。小塚はショートプログラム(SP)2位からの逆転優勝。SPで世界歴代最高得点となる95.07点を出した羽生結弦(東北高)は、合計243.74で2位。3位には合計229.95点で町田樹(関大)が入り、日本勢が表彰台を独占した。
SP2位の小塚は最初の4回転トゥループで着氷すると、トゥループでの4回転-2回転も跳び切りスタートに成功。演技後半のサルコウで転倒するも、安定感のある演技を見せ、逆転での金メダルを勝ち取った。
羽生は、前日のSPで世界歴代最高得点と好スタートを切った。しかし、この日のFSでは最初に入れた4回転トゥループ、4回転サルコウで転倒。スピン、スケーティングの部分でも疲れが見え得点が伸びず。優勝はならなかった。
<スポーツナビ 2012年10月21日>
集中が生んだ逆転劇=小塚、ソチへ「継続」-スケートアメリカ
小塚がミスの少ない滑りで、大差をひっくり返した。「羽生選手に10点近く差をつけられ、優勝は全然考えていなかった」。無心で自分の演技に集中したことが、奇跡的な逆転勝利を呼び込んだ。
冒頭の4回転ジャンプ、4回転と2回転の連続ジャンプを不完全ながらも着氷。その後も、終盤の3回転サルコーで転倒した他はそつなく演じ切り、満足そうな笑顔を見せた。
「久しぶりに優勝という気持ちを味わえたことはプラスに働くと思う」と小塚。昨季は不振にあえいだが、4シーズン前にGP初優勝を飾った縁起のいい大会で、復活への大きな一歩を刻んだ。
GP2勝、全日本選手権初優勝、世界選手権を2位で締めくくった最高のシーズンから1年半。「去年はフィギュアを甘く見過ぎていた」と心情を吐露。その反省を踏まえ、今は毎日、自分が満足できる一日を過ごすことを大事にしていると言う。「自信は練習からしか生まれない。今はすごくスケートに集中できている」
ソチ五輪に照準を絞り、それまでの16カ月を一つのシーズンと捉えている小塚。今季のテーマに掲げる「継続」が早くも実を結んだ。
<ケント時事 2012/10/21>
羽生、2度転倒「集中力きれた」
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、スケートアメリカ第2日は20日、ショートプログラム(SP)で小塚崇彦に10点近い差をつけた羽生結弦が乱れた。演技を終えると、がっくりとひざに手をついて「自分はこんなものです。ほろ苦いも何も、めっちゃ苦い」と唇をかんだ。自信があった4回転ジャンプは2度続けて転倒して「集中力がきれた」。連続ジャンプは1度しか跳べずに演技終盤は転倒して背中までついた。「ジャンプを跳んでいる感じはよかったけど、何だろう。言葉が思い浮かばない」と羽生。冷静に見えた17歳も試合へ臨む気持ちをコントロールすることが課題となった。次戦はNHK杯に出場する。「相手が誰であろうと絶対に勝つ」と力を込めた。
<毎日新聞 2012年10月21日>