ISUグランプリシリーズ2012-2013 第3戦 中国杯(上海)
真央 フリーでの逆転に手応え!苦手SP「いい形で乗り越えた」
GPシリーズ第3戦の中国杯、女子ショートプログラム(SP)で浅田真央(22=中京大)は新曲となる「アイ・ガット・リズム」を初披露。ダブルアクセル、トリプルフリップーダブルループのコンビネーション、トリプルループとすべてのジャンプに成功した。
リズミカルで明るい音楽に乗せ、表情豊かに、楽しくて仕方ないように演技した浅田。「ショートは1つ1つのエレメンツを取りこぼしないようにと意識したんですが、最後は楽しく何の緊張もなく滑れたので良かったです」と満足げに振り返った。
62・89点で、1位のユリア・リプニツカヤ(ロシア)と0・17点差の僅差の2位。「ちょっと苦手意識のあるショートをいい形で乗り越えたので、あしたのフリーは自信を持って滑れるんじゃないかと思います」と笑顔で前を向いた。
<スポーツニッポン 2012/11/2>
浅田はつらつ、広がった幅=GP初戦「全部良かった」
初めて披露する新SPの曲に乗り、浅田が今季GP初戦ではつらつとした演技。「明るくて元気な曲」というイメージに後押しされただけではない。進歩する滑り自体に手応えを感じていることが分かる。
冒頭でダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を跳ぶ演技。ジャズ曲のリズムを体全体で刻んだ。タップを踏むような動作も交える最後のステップは「体がよく動いた」。3回転フリップの回転が足りなかったが、スピン、ステップは最高レベルの評価。トップこそロシアの14歳、リプニツカヤに譲ったが「きょうは全部良かったと思う」。
佐藤信夫コーチに師事して3年目。最初の2年は苦闘したが、「やっとやっと体に染みついてきた。滑りの力強さ、柔らかさ、いろいろな滑りの幅が広がってきた」。万全ではない看板技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は当面、構成から外すことを決めている。滑り全体のレベルが上がっているから、こだわりもない。
日中関係が悪化して出場も懸念されたが、会場には応援幕が下がり、歓声も一番大きかった。「(中国に)来る前は不安もあったけど、たくさん応援してくれてうれしかった」。海を挟んだ冷えた空気を、22歳が忘れさせた。
<上海時事 2012/11/02>