高橋大輔 グランプリファイナル2012 日本男子初のGP優勝!


ISUグランプリシリーズファイナル2012/2013(ロシア・ソチ)

大輔今季最世界最高、7度目でGPファイナル初V!日本男子初栄冠だ…フィギュア

◆フィギュアスケートGPファイナル最終日(8日、ロシア・ソチ)

大輔、悲願のファイナル制覇!! 男子フリーを行い、ショートプログラム(SP)首位の高橋大輔(26)=関大大学院=が今季世界最高の合計269・40点で日本男子初優勝を飾った。SP3位の羽生結弦(18)=東北高=は自己最高の合計264・29点で2位。小塚崇彦(23)=トヨタ自動車=は5位となり、町田樹(22)=関大=は6位。女子フリーはSP3位の鈴木明子(27)=邦和スポーツランド=が合計180・77点で3位に入った。

得点が出て優勝が決まると、高橋は隣に座っていた長光歌子、ニコライ・モロゾフ両コーチと抱き合った。7度目のファイナルでつかんだ初めての頂点。「今日の(フリーの)4分間の出来は悔しくて課題が残るが、結果として金を取れてうれしい」。史上最多4人が出場した戦国日本のエースが、ソチ五輪の本番リンクで新たな偉業を達成した。

今季最高の演技とライバルのミスが重なったSPは今季初めて4回転を決め、「予想しなかった」という首位スタート。フリーは誰もが緊張する最終滑走で迎えた。冒頭の4回転トーループは転倒したが、次の4回転は3回転との連続ジャンプで見事に成功。「(08年に右ひざを)けがしてから2本目の4回転を決めたのは初めて」と喜んだ。

昨年4月の世界選手権で不満足な5位に終わり、ソチ五輪まで現役続行を決意。五輪の本番リンクで収穫をつかむために、練習でも攻め続けた。フリー当日の公式練習では、さらに難度が高い4回転ルッツを調整した。長光コーチは「今回は試せる大会。練習の出来次第」と挑戦を示唆していた。

試合で一度も決めていない4回転ルッツを重要な一戦の練習で試すのは、来季のソチ五輪での金メダル獲得に不可欠だと考えるから。今回跳んだ4回転トーループにしても、いかに体力を消耗せずに跳ぶかを模索している。目先の結果だけでなく、26歳のベテランはもっと先を見据えてソチのリンクで戦った。

史上初のファイナル3連覇を狙った世界王者のパトリック・チャン(カナダ)を五輪リンクで破り、最大のライバルに大きな重圧をかけることができた。急成長して“下克上”を狙う18歳の羽生にも大先輩の貫禄を示した。「できることを一歩ずつやっていくことを大事にしたい」と高橋は力を込めた。ソチで奪った金メダルを胸に、3大会連続の五輪出場に向かって確実に歩を進めていく。

[2012/12/9 6:05スポーツ報知]

高橋大輔が悲願の初優勝! 日本男子初のファイナル制覇=フィギュア

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが8日、ロシアのソチで行われ、男子フリースケーティング(FS)では、高橋大輔(関大大学院)がFS177.11点の総合269.40点で、日本男子初となる優勝を飾った。2位は羽生結弦(東北高)でFS177.12点の総合264.29点。男子初のファイナル3連覇を狙ったパトリック・チャン(カナダ)は総合258.66点で3位だった。

日本勢はそのほか、小塚崇彦(トヨタ自動車)が総合253.27点で5位、町田樹(関大)が総合198.63点で6位だった。

高橋がミスがありながらも後半こらえて、日本男子初の優勝を勝ち取った。最初の4回転で転倒も、続くコンビネーションでの4回転トゥループは着氷。しかし、コンビネーション2本目の3回転トゥループが回転不足の判定、またトリプルアクセルはマイナス評価となる展開に。それでも、後半の3回転ループ、サルコウ、フリップ、また3回転ルッツからのコンビネーションに成功。スピンもレベル4の評価を得た。

羽生は課題のFSを演じ切った。最初に入れた4回転トゥループを鋭く決める。3回転予定が2回転になったサルコウがあったものの、トリプルアクセルからのコンビネーションを2本、3回転ルッツからの3連続を決めるなど、大きなミスなく演技を終えた。シリーズ2戦ではプログラム後半で疲れが隠せなかったが、ファイナルでは最後までこらえた。

小塚は前半のジャンプミスが響き出来栄え点が伸びず。町田は4回転トゥループでの転倒、トリプルアクセルがシングルになるなどし、上位進出はならなかった。

[スポーツナビ 2012/12/9 1:07]

見せたエースの滑り=高橋、日本男子初の快挙-フィギュアGPファイナル

ソチに到着した高橋は、こう話した。「今回のファイナルはとても厳しい。トップを取るのは かなり厳しいと思う」。7度目の挑戦で自らつかんだ、日本男子にとっての初優勝。その重みは本人が一番よく分かっている。

前日、今季初めてSPで4回転ジャンプを成功。「頭と体が一致してきた」。大技に対する手応えは確かだった。フリーでは冒頭の4回転こそ転倒したが、ひるまず直後に挑み4回転に3回転をつけて成功。トリプルアクセル(3回転半)の着氷が2度乱れた以外は要素をまとめた。

こうなれば、高橋の表現力が物を言う。壮大な曲に負けないエッジを深く使った大きな滑りで魅了し、演技構成点は4項目で9点台。フリーは3位だったが、SPの貯金で逃げ切った。

精彩を欠いた11月の中国杯から、調子を上げていた。今大会の位置付けは「自分の百パーセントの演技をして、自分の世界での立ち位置を判断したい」。表彰台の顔触れは3月の世界選手権と同じだったが、順位を自分の力で入れ替えた。

日本男子が4人出場した今大会。戦国時代の様相を呈する中で「鳴くまで待とう(ホトトギス)、の心境」と自らを戦国武将の徳川家康になぞらえた。家康は戦乱の時代に終止符を打った男。大目標のソチ五輪はまだ先だが、エースが誰であるかを明白に見せつける勝利だった。

[時事2012/12/09 01:26]

高橋金「次につながる」/フィギュア

7度目の挑戦で、高橋大輔(26=関大大学院)がついに栄冠をつかんだ。SP1位から、フリー3位の177・11点で後続を振り切り、合計269・40点で日本男子初優勝を果たした。若手の追い上げを力に変え、日本男子のエースが頂点に立った。史上最多4人が出場した日本勢は羽生結弦(18)が264・29点で2位、小塚崇彦(23)は253・27点で5位、町田樹(22)が198・63点で6位だった。

完璧な出来ではなかった。冒頭の4回転トーループは転倒した。だから演技後も苦笑いで天を仰いだ。だが、ついに駆け上がった頂点。得点を見た高橋から悔しさは一瞬消えた。驚きながら、歓喜を楽しむように長光、モロゾフ両コーチと抱き合った。「失敗はあったけど、とてもうれしい」。いまはこの喜びを体に染み込ませたかった。

「他の選手のことは何も考えなかった」。最終滑走、次々に4回転を決める選手たちへの歓声を聞きながら、演技を待った。出場最年長の26歳、その落ち着きが武器だった。後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)でも手をつくなど苦戦はしたが、抜群のスケート技術、表現力を発揮して、ジャッジ、観客を魅了。これまで3度の2位。ついに壁を破った。

夏の北海道合宿。高校生も一緒に練習するなか、必死に先頭を走る高橋の姿があった。体力強化が目的で練習場所からホテルまでの帰り道もダッシュ。約30分の行程に「みんな速いから。でも、おれも負けられない」と毎回トップは譲らない。持ち前の負けず嫌いは、若手を刺激に体を痛め抜いていた。「20歳よりもいまのほうが体力はあります」。日本男子勢のエースとして、後輩の追い上げを受けるが、まだまだ負けてはいられない。

自分の成長を求めるからこそ、まだまだ満足はない。「今日の出来では本当のチャンピオンとは言えない。まだまだ課題が残るし、次につながる良い試合だった」。来年の世界選手権の出場権がかかる全日本選手権まで2週間。3枠を巡り、再び若手の挑戦を受ける。その刺激があればこそ、また成長できる。

[nikkansports.com 2012/12/9 08:56]

若手の台頭刺激、貫禄示した第一人者・高橋大輔

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル男子で優勝した高橋大輔。また一つ、「日本男子選手初」の勲章が加わった。

2度目の五輪となる2010年バンクーバー大会で3位となり、日本男子として初の五輪メダリストに輝いた。直後の世界選手権では、5度目の挑戦で日本男子史上初の世界王者になった。GPファイナルのタイトルには、縁遠かった。今回が7度目の出場だが、2位が3度。頂点には手が届きそうで届かなかった。

この日は冒頭に予定していた4回転―3回転の最初で転倒したが、続く単発の4回転に3回転をつけて挽回。二つのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で細かいミスはあったが、高い演技構成点で羽生以下のライバルを抑えた。

今大会、日本男子は史上最多の4人が出場した。今季のGPシリーズ2戦では、いずれも町田と羽生の後塵(こうじん)を拝して2位となり、「取り残されないよう頑張りたい」と弱気な発言もしていた。若手の台頭を刺激に、26歳の第一人者が貫禄を示した。

[読売新聞 2012/12/9 20:06]