第81回 全日本選手権大会 All Japan Figure Skating Championships 2012-2013
羽生、初V!“世界歴代最高”285・23点!…全日本フィギュア
[スポーツ報知2012/12/23 19:39]
フィギュアスケート 全日本選手権第2日(22日、札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ) 男子フリーを行い、ショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(18)=宮城・東北高=が、同2位の高橋大輔(26)=関大大学院=の猛追をかわし、初優勝を決めた。フリーの国内最高得点192・36点をマークした高橋を4・83点差の総合285・23点で逃げ切り、97年の田村岳斗(やまと、当時東北高)以来、15大会ぶりの高校生全日本王者に輝いた。羽生、高橋は来年3月の世界選手権(カナダ)代表3枠入りが確実になった。女子SPは、鈴木明子(27)=邦和スポーツランド=が65・09点で首位発進。
18歳の“怪物”羽生が全日本史に残る激戦を制した。演技を終え、得点を見届けると逃げ切りVを確認。「あぁっ~!」と声を張り上げ、両手で顔を押さえ喜びに浸った。15大会ぶりの高校生王者。表彰台の真ん中に立ち、首のメダルを見ると胸が熱くなった。「真ん中に立っていることがいまだに信じられない。少しでも(高橋)先輩に追いついたことがうれしい。何とか逃げ切れた」。シニア3季目での快挙がジワリとこみ上げた。
SPに続きフリーでも最終滑走の出番となった。5人前の19番目の演技で高橋が出した得点は、世界最高187・96点を超える192・36点。かかる重圧を「全然関係ない」と、はじき返し、難度の高いプログラムとの“体力勝負”に挑んだ。
冒頭の4回転トーループを着氷し、続く4回転サルコーはあわや尻餅をグッと踏ん張った。後半演技ではステップ、スピンを挟まずトリプルアクセル(3回転半)2本を含む計9本の連続ジャンプを苦しそうな表情で跳び切った。国際連盟(ISU)非公認の大会ながら総合得点285・23点は“世界歴代最高点”。11年4月の世界選手権金、パトリック・チャン(カナダ)の280・98点を超えた。オーサー・コーチは「まだヤングボーイなのに、精神力がすごい」とたたえた。だが、フリーで高橋に敗れた若武者は「実力で抜いた気がしない。先輩はまだ雲の上の存在」と満足はしなかった。
ソチ五輪(来年2月)の本番リンクで世界トップ6が集まったGPファイナルでは銀メダルを獲得。成長が本物であることも確認したが、18歳に油断はない。「今季は五輪は関係ない。来季に向け自分のプログラムを作り上げたい」。照準は代表入りが確実な来春の世界選手権。昨季はSP7位から銅メダルを獲得した世界の舞台に向け「きょうは50%。80、90、100%に近づいていく手応えはある。来年は、また違った羽生結弦を世界という舞台で見せたい」と誓った。
羽生、世界最高得点「信じられない」/フィギュア
[サンケイスポーツ 2012/12/23 07:51]
フィギュアスケート全日本選手権第2日(22日、札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)男子でショートプログラム(SP)首位だった羽生結弦(はにゅう・ゆづる、18)=宮城・東北高3年=がフリーで逃げ切り、合計285・23点で初優勝を飾った。国際スケート連盟(ISU)公認記録とはならないものの、世界歴代最高得点を上回った。高校生王者は1997年の田村岳斗以来15大会ぶり。来年3月の世界選手権(カナダ・ロンドン)代表入りを確実にし、2014年ソチ五輪金メダルの大本命に躍り出た。2連覇を狙った高橋大輔(26)=関大大学院=は280・40点で2位だった。
薄氷を踏む初栄冠だった。フリー24番目の最終滑走を務めた羽生は、演技を終えると天井を仰ぎ、複雑そうな表情を浮かべた。『キス・アンド・クライ』で得点が表示されると、黄色い歓声が飛んだ。
「信じられない。SPの差で何とか持ちこたえられた。すごい高い評価を頂いた」
2位の高橋に9・64点の大差をつけて臨んだフリー。先陣を切ったライバルが192・36点、SPとの合計で280点超えのハイスコアをたたき出す。今季から指導するコーチのブライアン・オーサー氏は、演技までの待ち時間にイヤホンをするように指示していた。“雑音”を封じ込めたことで、高橋の結果を耳に入れずに済んだ。
冒頭の4回転トーループ、続く4回転サルコーはともに着氷で乱れながら、何とか持ちこたえた。これで波に乗った。後半は2連続3回転、3回転-2回転、3-2-2のトリプルジャンプもはまり、課題のスタミナ不足にも耐えて切り抜けた。
全日本選手権は小さいころから、あこがれの舞台だった。中学1年のとき、全日本ジュニア選手権で3位に入った。それからわずか5年。シニア世代の大会で頂点に立った。大人の雰囲気を醸し出す高橋と比べると、そこはまだ高校3年生の18歳。表彰台にはちょこんとジャンプして登壇し、笑顔を振りまいた。
来年3月の世界選手権はカナダ・ロンドンで行われる。今年から同じカナダのトロントに拠点を置く羽生にとっては、“第二の故郷”といえる場所だ。そして、同国の英雄パトリック・チャンが2011年の世界選手権でマークした合計280・98点を、日本の国内大会のため公認こそされないものの4・25点上回った。
「ソチ五輪? いまは関係ない。いまは自分のプログラムを作り上げることが大事」
周囲の期待は膨らむが、次の戦いへ全力で挑むだけ。その姿勢はこわいもの知らず。世界一への足がかりを作った羽生への注目度が、札幌の積雪のごとく高まっていく。
羽生が早大へ進学
[毎日新聞 2012/12/23 21:17]
フィギュアスケートの全日本選手権の男子で初優勝した18歳の羽生結弦(はにゅう・ゆづる)=宮城・東北高=は23日、来春から早大人間科学部に進学することを明らかにした。既に一般入試で合格した。羽生は現在、練習拠点をカナダ・トロントに置いているため、「スケートと通学を両立させることは難しい」(羽生)と判断。講義やレポート提出、小テストなどがインターネットを介して自宅のパソコンでもできるeスクール(通信教育課程)を選択したという。